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研究会の趣旨 (フロー・マイクロ合成研究会)

 有機合成化学は、科学技術の様々な分野で必要とされる有機物質をつくりだし供給するという役割を担っている。しかし、最近の分析機器の発展に比べて、実際の合成は人の手で行われており旧態依然としているのが現状であり、ロボットによる合成の自動化が強く望まれている。自動合成は、省力化、効率化、精密化、安全という面だけでなく、有機合成の新手法としても期待され、その社会的ニーズが極めて高くなっている。

 現在、自動ペプチド合成装置や自動DNA合成装置などが生命科学の分野で実用的に使われている。また最近、combinatorial chemistryの立場からもいくつかの装置の開発が行われている。しかし、これらは単機能型であり、医薬や機能性材料など様々な分野で求められている幅広い有機化合物の合成に対応するには限界がある。多種多様な有機化合物の合成に適用できる汎用的な有機合成ロボットの開発が強く求められている。

 日本のロボット工学は世界をリードしており、自動装置を製作することはハード的にはそれほど困難ではない。むしろ、有機合成化学で今までに蓄積されてきた知識や経験・ノウハウをいかにロボットに取り入れるかが重要である。そのためには有機合成化学者と技術者が緊密な連携をとりながら開発を進めることが必要かつ不可欠である。

 本研究会は、平成8年11月に近畿化学協会合成部会ロボット合成研究会として発足し、有機合成の自動化について広い視野から情報収集・討論を行い、有機合成の新しい方向をさぐることを目的に、会員のための研究会や公開講演会などを開催することで、毎回多数の方々にご参加いただいている。会員企業も41社(H19.7現在)と多くの企業の賛同を得、社会的にもその活動の重要性が認められつつある。

 また、近年有機合成の自動化の中で、マイクロリアクターが非常に注目を集めるようになっており、本研究会ではこの点に早くから着目し、平成10年には日本で初めてマイクロリアクターを中心とした公開講演会を開催した。その後の研究会や公開講演会においてもマイクロリアクター関連の講演を入れるなど、この分野の動向に常に注目し、研究活動を行っている。そこで、平成14年10月より会の名称を「ロボット・マイクロ合成研究会」と変更した。

 最近では合成ロボット(自動合成装置)は合成研究・開発の分野ではかなり普及しその利用はもう当たり前になったということと、およびマイクロだけでなくマクロなフロー系で行う合成も重要になってきたということから、平成19年4月より会の名称を「フロー・マイクロ合成研究会」と変更した。

 社会の要請に即応してマイクロ合成化学の分野の活動をさらに進めるとともに、自動合成とマイクロ合成との連携をさらに深くし、合成化学の新しい分野の創製に貢献していきたい。

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